最近よく耳にする二重にマスク、皆様はどう捉えておりますか？最近では街中でも見かけることがありますね。2月10日、アメリカ疾病予防管理センター（CDC）は二重マスクの効果に関する研究結果を発表しました。これを受けた各メディアは「CDCが二重マスクを推奨」と報じ、大きく拡散されました。本当に、マスクは二重につけた方が良いのでしょうか？
なぜマスクが2枚必要なのか
CDC発表の論文のタイトルは「Maximizing Fit for Cloth and Medical Procedure Masks to Improve Performance and Reduce SARS-CoV-2 Transmission and Exposure, 2021(性能向上と新型コロナウイルスの感染・曝露を低減するために、布製マスクとサージカルマスクのフィット感を最大化する方法)」となっており、マスクのフィット感をあげることの重要性を強調しています。
実験では3種類のマスクの効果が検証されていました。
サージカルマスク1枚では、横の部分などに隙間が生じ、二重マスクは、サージカルマスクの上に布製マスクを覆いサージカルマスクの隙間を埋めル事によって隙間がなくなります。また、結び目マスクは耳にかける部分を結ぶ事で、フィット感をあげ、隙間をなくしています。
この3種類のマスクを用いて、飛沫を排出する側と飛沫を浴びる側がそれぞれマスクを着けた場合、着けなかった場合の、マネキンが飛沫を浴びる量の比較実験した結果が発表されていました。
サージカルマスク1枚では、排出側も浴びる側もマスクをしていない状態から両者ともに着用した場合84.3%の飛沫を浴びることを防げるとありますが、二重マスクや、結び目のマスクだと95％を超えていますね。
ここまで防げるとマスクの期待値も上がります！
二重ということよりも「フィットするか」が重要
実験結果からもわかるように、マスクを二重にしたから感染が防げるわけではありません。サージカルマスクの性能にプラスして、隙間をなくすことができ、飛沫の入り込む隙間がなくなり感染リスクを減らすことができるという内容です。
CDCの発表する論文内でも、マスクをフィットさせることが重要視されており、二重マスクの他にも、結び目のマスク、その他、マスクをフィットさせるためのアイテムを使用することが提案されています。
- 不織布マスクだけでは隙間が大きいので不織布マスクの上からフィットしやすい布マスクを使用する
- 布マスクは捕集率が低いので布マスクを2枚着用する方法はほぼ意味がない
- 不織布マスクを2枚着用するのも隙間がなくなるわけではないのでほぼ意味がない
- 布マスクの上から不織布マスクも隙間ができるので効果が薄い
- N95はもともと隙間がないので2枚着用する必要なし
もちろん、布マスクでも高性能かつ隙間ができなければ同様の効果が得られるはずですね。
また、理化学研究所は3月4日、スーパーコンピューター「富岳（ふがく）」を使い、マスクを二重に着けた場合に飛沫の拡散をどれだけ防げるかシミュレーション（模擬実験）した結果を公表しました。不織布マスクを正しく装着すれば、その上からポリウレタン製のマスクをつけても飛沫を防ぐ効果はあまり上がらなかった報告しています。
分子マスクはN95と同等以上の高性能フィルターが内蔵されており、サージカルマスクと布マスクが一体になったようなイメージをしていただくとわかりやすいと思います。また、呼吸が楽なので、これからの季節でも一枚で使用していただくことができ快適に過ごしていただけるかと思います。
